HOME >> 損害賠償の基礎知識 >> 交通事故における過失相殺

交通事故における過失相殺

交通事故における過失相殺に関して、以下項目を解説しています。
・過失相殺とは?
・過失割合の算定

過失相殺とは?

民法の不法行為に関する規定である第722条 第2項では、『被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。』と規定しています。
この規定により、不法行為によって被害者に生じた損害全額に対して、被害者の過失分を減額した額が、加害者に対して損害賠償請求できる額となります。
交通事故の場合も、民法上の不法行為であるため、この規定が適用されます。

過失割合の算定

上記の通り被害者が加害者に対して損害賠償請求するには、事故の態様から過失割合を算定する必要があります。
そして、その過失割合を算定する上で利用されるのが”過失相殺率の認定基準”です。

過失相殺率の認定基準

民事事件における裁判では、過失相殺をどの程度考慮するかは裁判官の裁量に委ねられています。
これを”裁判官の職権行使の独立”と呼ばれています。
しかし、日々発生する交通事故に対して、裁判官によって過失割合が異なることに対する不公平感や、証拠調べに時間がかかるなどの問題に対処するため、東京地裁の裁判官が過去の判例などに基づき過失割合の認定基準を作成しました。
その後、判例タイムズ社より「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」が出版されるようになり、現在では、示談交渉や裁判においてもこの基準が利用されています。
【裁判官の職権行使の独立とは?】
裁判において裁判官は、当事者の主張・立証に基づき、中立・公正な立場で判決を下しますが、その判断は裁判官の心証に委ねられています。
これは、憲法 第76条 第3項『すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。』という規定により、裁判官には職権行使の独立が保障されているためです。
備考)
具体的な過失割合の算定については、上記メニュー「過失割合の算定」を参照下さい。

 
inserted by FC2 system